ベンチェは、ヤシの実の加工、田んぼ、細い運河、夜明けのボートに揺られる時間――そんなゆったりとした地味な魅力が主役の場所だ。Saigonから南へ1時間ほど、メコンデルタの中心に位置し、Can Thoと比べて団体ツアーがはるかに少ない。それこそがこの町の魅力だ。

アクセス

Saigonからはミニバスか車をチャーターして、Long AnとTien Giangを経由しながら南へ1.5〜2時間。国道1号線をそのまま進むだけでわかりやすい。多くの旅行者は1〜2泊で訪れ、SaigonとCan ThoのCan Thoの間に2〜3日立ち寄るルートが定番。急ぎなら日帰りも可能だ。

ヤシ菓子と村の工房

ベンチェの顔はヤシの実(地元語で「dua」)だ。この省ではキャンディ、油、コプラが生産されており、町の郊外にある小さな家族経営の工場を見学できる。最も有名なのはDong Khoi Cooperativeで、ここでは職人たちが手作業でヤシを炒り、割り、乾燥させている。入場は自由で固定料金はなく、50,000〜100,000 VNDの寄付が一般的。工程を見学しながら、殻から直接搾ったヤシの水を飲み、最後はたいていキャンディを一袋買って帰ることになる。

洗練されたミュージアムは期待しないこと。現場はひたすら実用的で時に雑然としており、ヤシを炒る匂いが圧倒的だ。

ボートツアーと川の暮らし

ベンチェの本当の体験は水の上にある。町はメコン川の支流であるBen Tre Riverに面しており、町の中心部にある波止場(Hung Vuong通り104番地付近)から半日・終日のボートツアーが出発している。主なメニューはこちら:

  • 夜明けのパドリング: 小型の木製サンパン(小舟)を借り、夜明けの細い水路を漕ぐ。水面は鏡のように静かで、シラサギやアオサギ、高床式の家々が目に入る。所要2〜3時間、300,000〜500,000 VND。
  • ボート付きメコンホームステイ: 川沿いの家庭に一泊し、朝の漁に同行して家族と一緒に料理する。24時間で800,000〜1.2百万VND(食事・ボート込み)。Phu Tan地区(町の東側)のホームステイは、Saigon寄りの観光客向けスポットより静かで落ち着いている。
  • 水上マーケット見学: Ben Treのマーケット(Cai RangとPhong DienはCan Thoの近く、Ben Tre自体のCai MonマーケットはよりこじんまりしているよりCan Thoに近いものが有名)は早朝に動き出す。ツアーでは果樹園への立ち寄りとセットになることが多い。

果樹園と果物狩り

ベンチェの田舎はマンゴー、ランブータン、バンレイシ、オレンジなどの果樹園で埋め尽くされている。運河の上のハンモックに寝転びながら果物狩りができる農園もある。川沿いの小規模農園(ホテルやガイドに紹介してもらうと早い)の入場料は1人100,000〜150,000 VNDで、軽食とお茶が付く。

ジャングルの川をサンパンが行く白黒写真。熱帯の草木が生い茂る中、小さな木舟が静かに進む。

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Vinh Trang Pagoda

Ben Tre townの北約15kmに位置するVinh Trangは、デルタ有数の大きな仏教寺院で、19世紀にフランス植民地時代の建築様式を取り入れて建てられた。本堂は華やかな装飾が施され、境内には池と庭園が広がる。平日は静かで、週末は地元の参拝客でにぎわう。入場無料だが、少額の寄付が喜ばれる。

Thoi Lai水上集落

町の南約10kmにある現役の漁業集落Thoi Laiは、ほかの「水上村」観光地に比べて開発が進んでいない。住民はボートや高床式の家に暮らし、魚のワナや網が至るところに張り巡らされている。細い水路をボートで巡れる(2時間で500,000〜700,000 VND)が、他の団体ツアーと鉢合わせすることも多く、生の雰囲気はすぐに薄れる。静けさを求めるなら、午前8時前の早い時間に訪れるのが鉄則だ。

陶芸と工芸品

ベンチェはHanoi近郊のBat Trangのような陶芸の産地ではないが、町の中心部から離れた場所に小さな陶磁器・工芸品工房が点在している。見学はホテルに手配を頼むのが早く、飛び込みを歓迎するところも多い。値段も品質もまちまちだ。

水上人形劇と文化公演

Ben Tre Cultural Center(Hung Vuong通り105番地)では水上人形劇が上演されることがあるが、HanoiやHo Chi Minh Cityほど定期的ではない。スケジュールは不規則で団体ツアー向けのことが多いため、事前にホテルで確認しておこう。

カンボジアのKampong Phlukに立つ伝統的な高床式住居。川沿いに並ぶ独特の建築が印象的。

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スキップしていいもの

  • Ben Treのビーチ: ビーチは存在しない。海岸線は泥が多くて狭く、海水浴には向かない。ビーチが目的ならVung Tau(東へ90km)かPhu Quoc(南西に150km)の方がいい。
  • ハチの巣生産ツアー: 一部のツアー会社が「ハチの巣農場」を売り込んでくるが、実態は本物の生産施設ではなく、写真撮影用の小道具にすぎないことが多い。ヤシの工房や果樹園の方が確実だ。
  • Saigonからの団体バスツアー: 30人バスでやってくる日帰り観光客にとって、Ben Treはチェックリストの一項目でしかない。せっかく来るなら一泊してほしい。

ベンチェで食べる

地元名物は「hu tieu Nam Vang」(カンボジア風の澄んだスープに豚肉・海老・モツが入ったもの)で、Ben TreはカンボジアへのアクセスがSaigonより近い分、ここの方が旨いと言われている。Ben Treのマーケットや中央広場周辺の素朴な屋台に座れば一杯35,000〜50,000 VNDで食べられる。

カフェの数は多くないが、Kopi Coffee(Hung Vuong通り82番地)ではベトナムコーヒーと朝食が楽しめ、2階席から川を眺めながらゆっくりできる。

宿泊先

  • バジェット: Ben Tre Guesthouse(ダブルルーム250,000〜350,000 VND)。シンプルで清潔、立地も便利。
  • ミドルレンジ: Mekong Riverside Resort(600,000〜900,000 VND)。町から数km離れた静かな環境で、庭と川のビューが魅力。
  • ホームステイ: メコンのホームステイ(800,000〜1.2百万VND)が最も深い体験を提供。多くのツアー会社が手配している。

旅の実用情報

町の広場周辺にATM、病院、郵便局がある。英語はSaigonやCan Thoほど通じないので、フレーズブックかオフライン翻訳アプリを持参すること。訪問に最適な時期は11月〜4月(乾燥していて涼しい)。6月〜9月は蒸し暑く、雨が多い。ほとんどのアクティビティは、バイタク(xe om)か宿泊先を通じて手配するボートツアーで移動できる。

— 終 —

最終更新 · May 29, 2026 · 独自取材、スポンサーなし。